医事関係訴訟件数の推移医療補償の今とこれから

#04 産婦人科医療訴訟

  • 医事関係訴訟件数の推移
  • 医療補償の今とこれから
このテーマについて
2004
医療訴訟件数(全体)
1,004
産婦人科医師数
10,618
産婦人科医療訴訟件数
157

大野病院事件

産科医が医療事故により逮捕され、刑事起訴された初めての事件。予知が困難な症例への判断や、医師の過失に対する判断基準、24時間対応が必要な病院における医師数の不足など、医療現場におけるさまざまな課題が顕在化。後の産科医療補償制度創立のきっかけの一つとなった。

産婦人科診療ガイドライン

産科医療において、適正な標準的産科診断および治療法の提示を目的として日本産科婦人科学会と日本婦人科医会の共同作業により2008年に刊行されたガイドライン。患者の予後改善に寄与する可能性のある新知見や新技術の開発にともない、3年ごとに改訂されている。

産科医療補償制度

分娩に関連して重度脳性麻痺となり所定の条件を満たした場合に、ご家族の経済的負担を補償する医療補償制度。医師の過失の有無の判断が困難な分娩における医療事故による訴訟を減らすとともに、産科医療提供体制の確保を目的として2009年に創設された。

  • 医事関係訴訟事件数
    単位:件
  • 産婦人科
    単位:件
  • 2004
  • 2005
  • 2006
  • 2007
  • 2008
  • 2009
  • 2010
  • 2011
  • 2012
  • (速報値)
  • 1,500
  • 1,350
  • 1,200
  • 1,050
  • 900
  • 750
  • 600
  • 450
  • 300
  • 150
  • 0
  • 200
  • 180
  • 160
  • 140
  • 120
  • 100
  • 80
  • 60
  • 40
  • 20
  • 0
  • 診療科目別既済件数
    単位:件
  • 医師1000人あたりの
    既済件数

    単位:件
  • 内科
  • 精神科(神経科)
  • 小児科
  • 産婦人科
  • 外科
  • 整形外科
  • 形成外科
  • 10.0
  • 9.0
  • 8.0
  • 7.0
  • 6.0
  • 5.0
  • 4.0
  • 3.0
  • 2.0
  • 1.0
  • 0.0
  • 200
  • 180
  • 160
  • 140
  • 120
  • 100
  • 80
  • 60
  • 40
  • 20
  • 0
  • 医事関係訴訟件数の推移
  • 診療科目別既済件数(2012)
63.4%減
  • 2006
  • 2008
  • 2009

大野病院事件

産科医が医療事故により逮捕され、刑事起訴された初めての事件。予知が困難な症例への判断や、医師の過失に対する判断基準、24時間対応が必要な病院における医師数の不足など、医療現場におけるさまざまな課題が顕在化。後の産科医療補償制度創立のきっかけの一つとなった。

産婦人科診療ガイドライン

産科医療において、適正な標準的産科診断および治療法の提示を目的として日本産科婦人科学会と日本婦人科医会の共同作業により2008年に刊行されたガイドライン。患者の予後改善に寄与する可能性のある新知見や新技術の開発にともない、3年ごとに改訂されている。

産科医療補償制度

分娩に関連して重度脳性麻痺となり所定の条件を満たした場合に、ご家族の経済的負担を補償する医療補償制度。医師の過失の有無の判断が困難な分娩における医療事故による訴訟を減らすとともに、産科医療提供体制の確保を目的として2009年に創設された。

医事関係訴訟件数の推移

  • 2006
  • 2008
  • 2009

診療科目別既済件数(2012

日本産科婦人科学会の取り組み

起こってはならない医療事故が起きたとき、まず求められることは医師による誠意を通じた状況説明と、患者との信頼関係回復です。加えて、事故に対する補償、原因の究明と再発防止が必要になります。

日本産科婦人科学会では、産科医療補償制度の創設、産婦人科診療ガイドラインの刊行などを通じて、より良い医療体制の確保と確立に努めてきました。しかし、世界一の成績を誇る日本の周産期医療を維持するためには、まだまだ多くの課題があります。

重要な課題の一つとして、産婦人科医の不足が言われています。特に産科は24時間体制で病院側の対応が求められる科目であり、その症例もさまざまです。日本の未来に直結する重要事である産科医療の品質を保持するとともに、より安全かつ持続性のある医療体制の提供のために、日本産科婦人科学会も日々改善に取り組んでいます。

医療補償の今とこれから

補償制度の種類

現在の産科医療の無過失責任に対する補償制度は予防接種健康被害救済制度、医薬品副作用被害救済制度、産科医療補償制度の3つ。このうち予算がもっとも必要で、かつ公的な関わりの度合いが少ないのが産科医療補償制度。産科医療の発展のために必要な産科医療補償制度を、未来に向けて公的な補償制度へと発展させていくことが課題。

世界の公的予算

日本では無過失補償制度に対する公的補償の予算額が低く、今後の重要な課題の一つとなっている。公の関与が少ない産科医療補償制度も含めて全体で支払われた金額は平成22年度に約68億円。人口比率を合わせた予算規模でフランス、スウェーデン、ニュージーランド、デンマークの各国と比較しても、数倍から20数倍程度の大きな開きがある。

日米保険料比較

起きてはならない医療事故が起きてしまったときのために、民間組織が提供する医師賠償保険制度がある。しかしその保険料は国によって大きな差がある。日本では限度額約2億円で年間約5万円と自動車の任意保険のそれに近いが、訴訟大国であるアメリカでは、年間に内科医 約230万円、一般外科医 約510万円、産婦人科医 約1,200万円、脳神経外科医 約1,600万円(1ドル114円換算)もの高額な保険料が必要となる。

医師数の変化

戦後、日本の医師数は数々の取り組みにより増加した。しかし、特定地域や診療科目への偏在、医師免許保持者数と医療に従事する人数が必ずしも同一でないことなどの課題もあり、産婦人科もその例外ではない。日本産科婦人科学会では、ワークライフバランス改善の取り組みや女性医師の理想的なキャリアパス実現などに注力して、その改善に取り組んでいる。

出典元について
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